猫グッズの技法・加工・素材など
ツイルとは
「綾織り」のことです。
コットンを使った生地であればコットンツイル、リネンを使った生地であればリネンツイルと呼ばれます。
インディゴ糸を使った綾織り物はデニムです。
冬のアウターによく使われるツイードもツイルの一種です。
シャツ・ジャケット・ボトムなど衣類を中心にさまざまな用途で使われています。
シワになりにくくでしなやかで柔らかさと伸縮性に優れていますが、摩擦には弱いため、強くこすったりすると生地が劣化してしまう可能性があります。
パペルピカドとは
Papel picado(スペイン語)は、薄葉紙に精巧なデザインを切って作るメキシコの 飾り切り絵です。
何十枚もの紙と型紙を重ね、小さな木槌とノミを使用して作成されます。
(一枚の紙を折りたたんで、ハサミを使用して作成されることもあります。)
<歴史>
・先コロンブス期のメキシコでは、アステカの人々が、木の皮で紙を作った紙を吊るして寺院や集会所の装飾に使い、宗教的な祭礼や儀式を行っていました。
・この伝統は1500年代にスペインがアステカを征服した後も守られました。
・1700年代に、中国から薄葉紙(papel de China)が輸入されるようになると、その薄くてしなやかな性質から一度に何枚も折ったり切ったりして精巧な装飾を施すことが可能になり、メキシコのキリスト教の祭礼でパペルピカドが使われるようになりました 。
・現在では、細かいデザインのパペルピカドは機械によって大量生産されており、人々は市販品を購入することが多くなっています。
独立記念日、イースター、死者の日、クリスマス、キンセアニェーラ(quienceañera.女子の15歳の誕生日)、結婚式、洗礼など、世俗的な行事と宗教的な行事の両方で飾られます。
鳥、花、骸骨などが一般的なモチーフですが、場面に応じてさまざまなデザインが用いられます。
マジックテープとは
2本の布がくっつき、着脱が自在な面ファスナーのことです。
「フック」と「ループ」で、押えるだけでしっかり締まり、簡単に剥がせるという便利さに加え、軽くて耐久性も高く、好みのサイズにカットが可能です。
日本では
・1960年に(株)クラレが最初に生産・販売を開始しました。
・1964年に東海道新幹線の客席のヘッドレストカバーの留め具に採用され、注目を浴び、 その名が広がりました。
アパレル、メディカル、住宅設備(インテリア)、梱包結束資材、航空機、自動車、鉄道などに使われています。
※「マジックテープ」は、(株)クラレの登録商標です。
スナップボタンとは
指などで押し合わせて留めるタイプの、
ボタンホールが要らない凹凸で一組のボタンです。
素材は、金属製やプラスティック製があります。
・糸で縫い付ける「縫いつけタイプ」と
・打ち具を使った「打ちつけ(カシメ)タイプ」があります。
ベビー服、子供服、大人服、かばん・ポーチなどの布小物などによく使われます。
シェルとは
和名は「貝殻」です。
変質が少なく、半永久的に保存できるという特徴を活かし、古くから、貨幣や装飾品、日用品、薬、玩具など、世界中で用いられてきました。
シェルは、古くは貨幣として使われていたこともあるアイテムです。
現代ではパワーストーンとしても知られています。
真珠を生み出す白蝶貝や黒蝶貝、アコヤ貝などの貝殻から作られています。
ピューターとは
「しろめ」とも呼ばれます。
昔からヨーロッパで利用されてきた金属の名称(pewter:英語)です。
主成分が「錫」で、そこに銅・アンチモン・ビスマス・銀・鉛などを少量追加した合金です。
錫は非常に柔らかい金属なので、硬度の高い他の金属を足すことで強度を高めています。
色は青灰色です。
<歴史>
・約4000年前のエジプトの墓からピューター製品が出土しています。
・イギリスでは14世紀よりピューター名誉組合(ギルド)が存在しました。
<成分>
・スズ93 %、アンチモン7 %、融点は約250 ℃です。
アンチモンの代わりに鉛、または銅やビスマスを含むこともあります。
<性質>
・融点が低い
・柔らかい
・延性が高い
・再利用可能
・重い
・変色しにくい
・高価
・抗菌性
・熱伝導率がたかい
・研磨後の光沢がいい
美術作品、ブローチや指輪の製作、メダル製作、バイクや車のエンブレム制作、フィギュア製作などに使われます。
アルミについて
軽いことと、外見が銀に似ていることから、軽銀(けいぎん)、とも呼ばれます。
<歴史>
・1807年ハンフリー・デービー(イギリス)が発見。「アルミアム」と命名しました。
・1825年エルステッド(デンマーク)が、塩化アルミニュウムから金属アルミニュウムを取り出すことに成功しました。
<性質>
・低温に強い
・電気を通す
・光や熱を反射する
・耐食性が良い(さびにくい)
・軽い
・毒性が無い
・鋳造しやすい
・再生しやすい
・美しい
・磁気を帯びない
・加工しやすい
・熱を良く伝える
サッシなどの建物の建材、車のホイール、自転車のフレーム、デジタル家電、調理器具、飲料缶、など
色々な製品に使われています。
雑貨では、カラビナや、アクセサリーなどに使われています。
※関連素材のアルミ蒸着シートについては、こちら。
真鍮とは
亜鉛の含有量や熱の加減によって硬度や色味が経年変化し、含有量が多いと黄金色に、少ないと赤みのある色合いになっていきます。
また、加工しやすい金属としても有名で、身近なものでは5円玉の材料にもなっています。
革小物、アクセサリー、インテリア用品、文房具、仏具、金管楽器 などに使われています。
<歴史>
・ローマ:紀元前から創られ、貨幣にも使用されていたという記録があります。世界的に真鍮の製造が盛んになったのは16世紀頃だといわれています。
・日本:江戸時代中期(18世紀頃)から真鍮が使われていたといわれています。
<特徴>
・切削加工(切る、削る)がし易い:細かな加工にも向いています。(時計などの精密部品の他、柔軟な加工が可能で、アクセサリーにも多く使用)。
・電気伝導性が高い:「銅」が含まれるため、コンセントやコネクターなどの電子部品にも多く使用されています。
・柔軟に変形できる:「展延性(てんえんせい)」の高い金属です。
展延性とは、圧を加えて金属を薄いシート状にのばしたり、引っ張って細く引き伸ばしたりすることができる性質のことです。
・加熱加工がし易い:「熱間鍛造性(ねつかんたんぞうせい)」にも優れています。
熱間鍛造加工とは、金属に熱を与えてやわらかくして加工する技術です。
熱を加えることによってさまざまなかたちへ加工することができます。
・水に弱く、お手入れを怠ってしまうとサビてしまいます。
・空気に触れることで徐々に黒ずみ、水や汗によって緑青(ろくしょう)と呼ばれる緑色のサビが出てきます。
ポリカーボネート(PC)とは
高い耐衝撃性と透明性・自己消火性を持ちます。
使用可能温度は-40℃~120℃と幅広い用途で使用できます。
<特徴>
・ガラスと同程度の透明性を持ち、カメラレンズなどにも使用されます。
・高い耐衝撃性:同じ透明樹脂のポリエチレン(PE)やアクリルと比較すると衝撃への強さは約50倍です。
・紫外線に強いため、屋外での使用でも劣化しにくく強度を活かすことができます。
・加工性が高く、3Dプリンター出力にも適しています。
・火をつけても燃え広がらない、自己消火性を持ちます。
・耐候性に優れ、屋外での使用に適しています(洗濯バサミなど、屋外での使用時間が長い製品にも使用)。
・アルカリ性の洗剤や、ガラスコーティング材などをかけて放置すると、ひび割れ、変形などを起こすことがあります。
・傷が付きやすい:ウエスやブラシで洗浄をすると傷が付き、透明性が低下します。
<使用例>
・メガネのレンズやDVD基板
・カメラのレンズや、スマートフォンのボディやケース
・光ディスク・バイクの風防
・ヘルメットやヘルメットのシールド
・機動隊の盾・カーポートやアーケードの屋根材
・高速道路の防音板
・自動車のヘッドランプ
・導光板
ポリエチレン(PE)とは
合成樹脂とは、石油などを原料にして化学的に製造される人工物質のことです。
大量生産が可能であり、加工性・防水性・耐薬品性に優れているため、あらゆる製品に使用されます。
<特徴>
・常温では多くの薬品から影響を受けることが少ないため、日用品の保管に適しています。
・絶縁性が高いため、ケーブルや電線の被覆材の開発など、多方面に広く用いられています。
・防水性や衛生面、耐寒性に優れているため、あらゆる食品の包装フィルム・保管容器に使われています。
・高温に弱く、約70℃以上の熱にさらされると、変形や溶化、燃焼、匂いが生じます。
・屋外で長期間紫外線にさらされると劣化し、破損してしまいます。(洗濯バサミや看板など)
・接着性がなく、他の材料との接着や、印刷・塗装がむずかしく、特殊な技術を要します。
レジ袋をはじめ、洗剤や化粧品の容器、レジャー・スポーツ用品、自動車部品、産業資材など、あらゆる場面で活用されています。